金曜日までは、試合開始時間が午後4時と遅い。(土日は2時スタート)
そこで、エリーがみんなで遊びに行けるのは、今日で最後だと言うので、また、いつものメンバーでドライブに行くこととなった。
モナコとニースの間にある小さな町のヨットハーバーで、昼食となり、地中海の幸を食べることとなった。
我々日本人は大会中でもあるし、旅先でもあるので、生ものは避けたかった。
しかし、エリーが生ガキをはじめバンバン生ものを注文した。目の前にご馳走の山が届くと、自然と手が出てしまう自分が情けない。
会場にいく。ベスト16まできた。
もうひとつ勝てばベスト8、賞金の分け前にあずかれる。
本来、賞金はベスト4までしか支給されないのだが、ジャックポットのところで述べたように、そのひとつ前のマッチ(ベスト8)で、プレーヤー同士で折半することができる。
トーナメント表を確認する。
篠氏の名前がない。
昨夜、対ロバティ戦中のブレイク中に彼らの対戦を覗いたが、篠氏は優勢にマッチを進めていたし、相手のイスラエル人はそんなに上手なプレーヤーには見えなかった。ちょっと気にかかる。
時間がきたので指定の席につく。
すると、ギャラリーの人垣の向こうで、篠氏が手招きをしている。取りあえず行ってみると、アドバイスをくれた。
「奴はたいしたプレーヤーじゃないが、仲間がヘブライ語で助言しているみたいだから、ギャラリーと隔離してもらうように、大会運営委員に頼め。」と。
早速、運営委員に手配して、簡単な柵を座席の回りに作らせた。
ゲームを始める。柵は確かにあるが、座席とは1メートルと離れていない。
当然、ギャラリーにもゲーム内容は見える。私は、疑心暗鬼になりながら、相手の仲間のギャラリーを睨みつける。
ゲームが進む。思う様に目が出ない。
相手のオヤジは、いい目ばかりだす。
イカサイでも使ってるんじゃないかと、今度は相手の手元が気になる。
どんどん点差が広がる。
出目さえ良けりゃ、特にアドバイスなど必要ない。もっとも、アドバイスする方の奴もたいしたことないので、好き放題相談させても関係ないのだが。。。
結局、集中力を欠いたままゲームは推移し、いいところなく大差で負けてしまった。
やはり、昼間っからワインを飲んだのが敗因だったのか、篠氏の余計な一言が敗因だったのか、釈然としないまま終わってしまった。 反省材料、山盛りになってしまった。
この後、やけ気味になり、ジャックポットにエントリーした。
立て続けに3つ落とし、我に帰った。
今日は調子が悪いのだ。こんな日は、無理をしてはいけない。
私は、田端氏が暇になるのを見計らって、食事に誘った。彼さえいれば、酒の肴は必要ない。やけ酒である。
飲むだけ飲んでホテルに戻る。
どうしても腹の虫が治まらない。
再度、ジャックポットに挑む。少し高め(2000F)で行く。
なんとか2勝し、セトルメントに持ち込む。10000Fと4000Fで分けることにし、ゲームをしたが、あっさりやられてしまった。
酔いがまわってきたので、寝る。
土曜日は、ラストチャンスである。
コンソレーション(敗者慰安戦)は、木曜日スタートのファーストコンソレーション、金曜日スタートのセカンドコンソレーションと土曜日スタートのラストチャンスがある。勝ち続けると、当然参加できない。
チャンピオンシップのラストチャンスは、わずか5ポイントマッチである。約200人のトーナメントを1日で終わらせなければならないからだ。
今度は、バイを引いている。ひとつ不戦勝だ。
さらに、トントントンと3人勝ち抜く。簡単にベスト16までくる。昨日までの苦しみはなんだったんだろう。
しかし、ラストチャンスは、他のトーナメント他の違い、賞金は決勝の2人にしか渡らない。つまり、ベスト4までいかなければセトルメントできない。
あと2つだ。
5ポイントマッチの様なショートレンジのポイントマッチは、1ゲーム毎の勝敗がマッチ全体の勝敗に大きく影響する。つまり、ここまで勝ち上がってくる連中はトンデモないいい目を出す。お互いにスーパーショットを出し続け、先に弾が切れたら負けである。
あっさりマッチを失ってしまった。
ローズホテルには、当然、カジノがある。せっかく、モンテカルロにいるのだから、ちょっと顔を出す。
バックギャモン大会で負けってしまった連中でごった返している。
私は、あまりカジノは得意ではないので、ブラックジャックでツイている人の後ろにのる。
私がのるとツキが逃げるようだった。
取りあえず、飲むことに専念する。賭けていれば、フリードリンクである。
日曜日は、大会最後の日である。メイントーナメントの決勝とチームトーナメントがある。
チームトーナメントは3人1チーム。
それぞれ5ポイントマッチを行なう。
2人勝てば、チームは勝ちである。
チャンピオンシップの決勝は別室で行なわれる。その様子は大型スクリーンで写しだされ、解説付きで観戦できる。
私に勝った相手は惜しくも決勝で敗れた。
表彰式は、カクテルパーティである。
各クラス合わせて約50個もカップがあるのに、私の手元には1つもこない。
最後の晩に、モンテカルロらしいことがあった。
TIP TOP BARで残念会を開いていると、色白の青年がやってきて、我々の席の隣に座った。
店の店員が車の雑誌を片手に、サインをねだりきたのだ。
彼は、イギリスグランプリから戻ったばかりのジャック・ビルヌーブであった。
ひとまず 完