初心者のための戦略 これさえ読めば気分は上級者
ローアンカー
相手のインナーのローポイント、つまり1又は2ポイントに構えて戦うブロッキングゲームをローアンカーといいます。ディープアンカーともいいます。特に図6-1のように1ポイントに構えたものをエースポイントゲームといいます。
バックギャモン最大の魅力である逆転劇が最後のひと振りまで起こすことができるのもこの作戦のおかげです。
図6-1
(図3-3再掲)
ゲームイメージ
相手が上がっている(ベアーオフ)の途中に発生するブロット(図6-2)をヒットして(図6-3) 、その駒を逃がさないようにしながらクローズアウトに持ち込みます(図6-4)。
ローアンカーの作戦の要はブロットが発生するまでボードを壊さないことです。図6-5のようになってからではヒットに成功してもプライムを作ったりクローズアウトすることができず逆転も困難です。
このようなボードをナッシングボードといいます。
図6-2
図6-3
図6-4
図6-5
これまでの例ではダブリングキューブがセンターにありますが、普通はどちらかに動いています。
ローアンカーはディフェンシブなプレーで当然不利な局面です。ダブルされればパスしましょう。
センターキューブのままゲームが進むのは、黒がギャモン勝ちを狙っているか、*1キューブデッドの場合だけです。
*1 キューブデッドとは ポイントマッチにおいてキューブを使っても意味のない場合か、クロフォードの場合です。 両者ともマッチポイントの場合を特にDMP(ダブルマッチポイント)といいます。
勝率について
図6-4のようにワンマンクローズアウトした場合黒の残り枚数が何枚までなら逆転したことになるでしょうか。
この分岐点は7枚残りにあります。以下に対処方法を示します。
表6-1
表の一部に?が付いていますが、これは残りの駒の位置や、クローズアウトしたときのスペアマン位置によって確率が前後するためです。
上がり方について
黒は有利さを保ったままプレーをするように心がけましょう。ワンブロットなら約30%のヒット率しかありませんが、ツーブロットなら50%を越えてしまいます。
図6-6のように後ろ2つのポイントをストリップにすることは危険です。
図6-6
黒5-4、6-4
最後まであきらめないで
図6-7の黒3枚残りはクークラシックという有名なポジションです。ここで黒は1ゾロ以外の1の目を出すと2ブロットが発生してしまいます。図6-8の白の勝率は約70%あります。
この例のように8枚以上上がられた場合はすぐにクローズアウトせずに、2枚目のブロットを狙いにいきましょう。
図6-7
図6-8
次回はバックゲームについてもう少し詳細に説明します。
次ページ
▲
Copyright(c)2003 Japanese Backgammon League. All rights reserved.