初心者のための戦略 これさえ読めば気分は上級者

初心者のあなたに

　いつも負けてばかりいるあなた、悪いダイスのせいではありませんよ。強いひとはイカサマも使っていませんし、魔法も使っていません。
　バックギャモンはあなたが思っているほど運まかせのゲームではありません。囲碁やチェスのように定石があります。
　勿論、勝負どころではダイス次第になりますが、定石を知っていると無用な勝負を避けることができます。ただ、プレーはダイスの出目で大きく分かれるので、囲碁やチェスのような深い読みは必要ありません。

ひとに教えることが好きな方へ

　バックギャモン普及のために初心者にルールを教えることはとてもすばらしいことです。しかし、その先を教えるときは少し注意が必要です。さもないとバックギャモンを嫌いな人を増やすことになってしまいます。
　バックギャモンをプレーすることは自動車の運転に似ています。一度マスターすれば誰にでもできる簡単なことですが、初心者には大変なことです。
　例えは右折時は、前後左右に注意をしながら、ウインカーを出してブレーキを踏む。エンジンが止まらないようにクラッチも踏む。ここまでやってからハンドルを回すのです。同時にこんなたくさんの情報を処理し判断することは本来難しいことです。みんな自動車学校で訓練をしたからこそ出来るのです。
　自分の駒と相手の駒３０個に注意を払い、ピップを数え、３６(21)通りの出目を想定し、確率と期待値を計算する。時にはマッチエクイティまで気にしなければなりません。とても初心者が一度で理解できるものではありません。
　気長に分かりやすく何度でも教えましょう。急ぐ必要はありません。バックギャモンは自動車の運転とは違い、知らなくてもその人は別に困りません、世の中には他に楽しいことがいっぱいあります。バックギャモンくらい本人の好きなように伸び々々とプレーしていただきましょう。外野がうるさいのは嫌われますよ。
　あなたが教えるべきことは、バックギャモンのテクニックではありません。プレーすることの喜びです。それはあなた自身の魅力を教えることと同義語かもしれません。

お茶目な表情の武宮九段（左）とバックギャモンの神様ポール・マグリエル氏（右）

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