||| 望月'sレクチャー |||


駒を連携させる(Connect your army) 2003/10/13

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Photo
以下の資料はBackgammon Festivalにて行われたレクチャーにて配布されたものをWeb用に改訂したものです。レクチャーは講師の望月正行氏とアシスタントの桑門昌太郎氏によって進められ、40人を超える聴講者が集まりました。
(望月正行)


| バックギャモンにおける強い形とはどういったものでしょうか。
その答えの一つは、全ての駒が連携して一つの布陣を敷いている状態です。

図

上図の黒がその理想形です。(白は逆に連携が悪く、ひどい形)

ほとんど全ての目で新しいポイントが作れ、悪い目はほとんどありません。
この好形は一度作ればその後も保つ事ができます。
2手後・3手後の形を想像してみてください。
黒はきれいな形を保ったままゲームを進めることができるでしょう。

黒の駒が緊密かつバランス良く配置されているからです。=連携している

このように駒が連携した形を得るためにはどうしたらよいでしょうか。
このレクチャーでは序盤と終盤にわけてご説明していきたいと思います。


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| 序盤における駒の連携
まだお互いにボードができてない段階では、恐れることなくバックマンを
スプリットすることが大事です。バックマンが全体の連携からはもっとも遠い駒だからです。

 実験的に初形でボードを半分に割ってつなげてみましょう。

図


 分かりやすくするためにバーや白の駒など余分なものを消します。
 

バックマンだけが取り残されているのがわかりますか?
バックギャモンの序盤はいかにしてバックマンを前線部隊と連携させるかが
鍵なのです。24ポイントに孤立するのは避けなければいけません。
スプリットして積極的に前進させましょう。


Position 1
図 ▼候補手 1,bar/24 13/7
2,bar/18
正解はBar/18です。24ポイントと18ポイントの駒がよく連携しているので、18ポイントをヒットされてもリターンヒットできる可能性はかなりあります。
ここで飛び出さないと21ポイントや18ポイントを作られてバックマンが孤立してしまいます。


Position 2
図 ▼候補手
1,bar/24 16/13  
2,bar/22 24/23
3,bar/24 8/7(3)等

正解はbar/22 24/23です。22ポイントと16ポイントが6ピップはなれた状態でよく連携しています。
白のインナーにブロットがいる上に、ミッドポイントがストリップ状態なので、黒はヒットを恐れる必要がありません。
bar/24 16/13とやるのではバックマンと前線部隊が連携していません。
また、5ポイントに白がアンカーをとっていて7ポイントの価値が低い現状では8/7(3)と7ポイントを作るのは良い手ではありません。 


Position 3
図 ▼候補手
1,24/22 13/9
2,13/9 13/11
3,24/22 6/2
24/22 6/2が正解です。白がプライムを完成させ黒の駒を分断する前に、アンカーを取るかバックマンを1枚でも逃げたいところです。
13/9 13/11ではバックマンが取り残されており、いずれプライムに捕まってしまいます。


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| 中盤では局面の”重心”を考えて動かします。
重心とは重さの釣り合いを保って安定する点のことです。
ヤジロベエでいえば真中の人形の部分に当たります。

バックギャモンにおける重心とは前線部隊と後衛部隊のバランスを取る地点です。
(総ピップ数を15で割った地点)
この重心に密集していると駒の連携がよくとれている状態となります。

図A(初形)をごらんください。
図
初形の重心は11ポイントの辺りです。(167÷15=11.1…)
重心に駒が密集しているとはとてもいえません。
駒の連携が取れていない状態です。

図Bはこの資料の一番初めに示した図です。
図
重心にバランス良く駒が密集しています。完璧に連携が取れた形となっています。
中盤では重心に向かって駒が集まった形を目指すのです。


Position 4
▼候補手
1,13/9(2)
2,18/14(2)
3,7/5(2) 13/11(2)等


この局面の重心は8ポイントのあたりになります。よって8ポイントに駒が密集した形を目指す18/14(2)が正解となります。次に最後尾のポイントを動かすのが容易になっています。
13/9(2)も良さそうにみえますが、18ポイントの駒が孤立してしまうので安全にクリアーするのはかなり大変です。


Position 5
▼候補手
1,13/7 
2,17/11 
3,8/3* 3/2 等
正解は13/7です。7ポイントは4と6でヒットされてしまいますが、白はまだ2ポイントボードですし、インナーにはブロットがいます。
ヒットされなかった場合は重心の近くにポイントができるので、以降そこに駒を集める事ができます。
また、13ポイントのスタックも解消しています。

17/11や8/3* 3/2では重心近くに駒を集める事ができず、前後に伸びきってバランスの悪い形をまとめる事ができません。


Position 6
▼候補手
1,8/3 7/3
2,24/20 23/18 
3,23/14
ムーブを考える前に、動かしたい駒を考えてみてください。
24ポイントと23ポイントのバックマンを動かしたいと思えれば正解です。
この4枚にすぐに手をかけなければ、そのうち白にプライムを作られて前後に分断されてしまいます。なんとしても20ポイントか18ポイントにアンカーをつくり、前線部隊との中継地点を確保しましょう。24/20 23/18が正解です。

ポイントオンは恐れる必要ありません。20ポイントや18ポイントを作られてしまうのであれば、24ポイントにいたままでもどうせ負けてしまうからです。

下図を考えてみてください。(白のインナーボードを増やしました)

正解は変わらず24/20 23/18なのです!
茫洋とした中盤戦では、目先にこだわらずに駒をあるべきところに動かすのが正解になることが非常に良くあります。

頭から白の駒を消してください。2枚のバックマンを重心に向かって動かすのが一番自然で美しい手に思えればこのレクチャーは成功です。

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