トーナメントに行こう編


ダブル/テイク/パスの考え方

 バックギャモンを近代的なゲームとして蘇らせたのは、ダブリングキューブの発明です。
 ルビコン川を前にしてカエサルが「賽は投げられたのだ。」と言ったように、ダイスの出目は運まかせなのです。
 ところがダブリングキューブの発明により、賽を投げるかどうかはプレーヤーの意思次第となりました。
 ダブル、テイク、パスは人間の意思の現れであり、バックギャモンというゲームにより一層の深みを加えました。

 さて、図4のポジションはどうでしょうか。
 ダイスの出目には、6×6=36通りあります。
 このまま、ダイスを振ってしまえば、13通り (1-1,1-2,2-1,1-3,3-1,1-4,4-1,1-5,5-1,1-6,6-1,2-3,3-2)で負けてしまいますが、残りの23通りで勝てます。

 仮に同じゲームを100回するとします。
 ダイスを振った場合の勝率は64%(23/36)です。

  1. ダブルをしない場合
    1点勝ち +1×64=+64
    1点負け −1×36=−36
    白の得点    差分 +28
    白の期待値     +0.28

  2. ダブル/テイクの場合
    2点勝ち +2×64=+128
    2点負け −2×36=− 72
    白の得点    差分  +56
      白の期待値      +0.56

  3. ダブル/パスの場合
    1点負け +1×100=+100
    白の得点    差分  +100
    白の期待値       +1.00

 上記の結果により、白は(a)より(b)(c)の方が期待値が多きいので、ダブルをしたほうがよいでしょう。また、黒は(b)と(c)では(b)の方が期待値がよい(白の期待値が小さい)ので、テイクしたほうがよいでしょう。

 上記の計算も重要ですが、簡単に計算出来ないポジションも多いので、最終的には、逆転できそうに思えるときは「テイク」、負けそうに感じるときは「パス」でよいでしょう。

迷ってたら「テイク」しましょう。
何事も経験です。


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