Author Archives: yokose

聖徳学園小学校でのバックギャモン特別授業レポート(2024年2月)
2024年3月25日

 東京都武蔵野市にある聖徳学園小学校にて、今年もバックギャモンの特別授業を実施しました。この小学校では50年以上前から、1年生から4年生の授業に「知能訓練」と呼ばれるパズルやゲーム等の遊びを通したユニークなレッスンが組み込まれており、その一環としてオリジナルルールのすごろくやバックギャモンが取り入れられています。考える力を養うのに最も効果的な時期が10歳までというのがその教育理論にあるそうですが、ようやく最近になって、イギリスの学術誌に掲載されたシステマティックレビュー論文 (*) で「数字ベースのボードゲームを遊ぶことにより、3歳から9歳の子どもの数学的スキルが著しく向上すること」が明らかになったことを考えると、半世紀以上前からこういった先進的な教育を実践しているのは本当に驚きです。また個人的には、自分が小学生の頃にゲームを使ったワクワクする授業があったならどれほど楽しかっただろうと羨ましい限りです。

 さて今回の特別授業では、望月・横田・来住野ら4名のメンバーが4年生の2クラス同時に90分の授業を担当しました。授業の冒頭で、「バックギャモンで運を活かせる人になろう」と題した25分の講義をおこない、バックギャモンを通して身につく「数学的スキル」と「運に左右されないねばり強さ」を中心にバックギャモンの魅力を伝えました。講義の制作にあたっては、小学生教室の担当者と協力して、子どもが飽きずに興味を持てるような参加型のコンテンツを準備しました。

 その後は、実際にバックギャモンをプレイしてもらいました。バックギャモンボードは小さいながらも一学年60数名が全員対戦できる台数が学校側で用意されており、先生が事前に遊び方を指導してくださったこともあって、生徒たちはルールをきちんと理解してスムーズに対戦に臨むことができました。なお前回までと同様に、各クラス2名ずつの先生がペアになった生徒たちと二面指しで対局し、対局を待っている生徒同士が一対一でプレイするというスタイルを採りました。真剣にあれこれ考えたり、相談しながら熱心に戦略を練ったりする姿を見るにつけ、バックギャモンが単なるゲームではなく、思考力や協調性を育む教育的ツールとして十分活用され得ることを再確認することができました。担任の先生によると、当日の生徒たちの挑戦欲や学ぶ意欲が予想以上に強かったとのこと。世界チャンピオンが来るということで「勝ってやろう!」と気合が入っている生徒も多数いたようです。結果として、4組のペアがプロに勝利し、教室は大盛り上がりとなりました。

 当協会による聖徳学園小学校での特別授業は今年で3年目になりますが、今回も教育ツールとしてのバックギャモンの魅力を再認識する機会となりました。授業の実施にご協力いただいた聖徳学園小学校の先生方に感謝の意を表します。教育現場でのゲームの活用は、リスクに正しく立ち向かう能力や長期的な目線でやり抜く力の重要度が高まっている現代において、今後ますます注目されていくでしょう。当協会としても「公教育ツールとしてのバックギャモンの普及を進める」というビジョンを実現できる機会をもっと増やせるよう今後も尽力してまいります。また、未来の世界チャンピオンが聖徳学園小学校の卒業生から輩出されることを願っています。

 日本バックギャモン協会では、教育機関・企業・各種団体を対象に、出張授業や講演会、講習会を開催しております。ご興味のある方は当協会までお問い合わせください。

*: Balladares, J., Miranda, M., & Cordova, K. (2023). The effects of board games on math skills in children attending prekindergarten and kindergarten: A systematic review. Early Years, 1-25.

授業の様子についてはこちらの動画をご覧ください。

バックギャモン出張授業 in 聖徳学園小学校
バックギャモン出張授業 in 聖徳学園小学校 (ハイライト)
聖徳学園小学校長先生からのメッセージ

小学生教室 第4回「AI について考えよう」開催レポート(2023年7月)
2023年8月21日

 第4回 バックギャモン小学生教室の授業テーマは「AIについて考えよう」でした。前半はAIの基礎やバックギャモンAIの歴史を楽しく学ぶ座学、後半はChatGPTのデモンストレーションを通して学ぶ体験型授業のスタイルを採りました。講師は現在AIの研究をしており、最近では「生成AI」の試験にも合格したこともあって、今回は特に気合を入れて臨みました。

  • パート1: AI のひみつクイズ
  • パート2: バックギャモンと AI
  • パート3: ChatGPT で遊ぼう
  • パート4: ChatGPT の問題点

 パート1は「AIはいつ生まれた?」(ちなみに答えは1956年)などといったクイズからスタートし、パート2ではバックギャモンとAIの歴史について学びました。バックギャモンAIの歴史は古く、1979年にはハンス・ベルリナーが開発したバックギャモンAI「BKG 9.8」が当時の世界選手権に優勝したルイジ・ヴィラに初勝利したという記録が残っています。ちなみに当時の棋譜をXGで解析してみると、世界チャンピオンのPRが「6.50」(エキスパート)だったのに対してAIは「13.99」(中級)とのことでした。7ポイントマッチ1試合のみのエキシビションだったとは言え、チェスAIが世界チャンピオンに初勝利したのが1996年、将棋AIがプロ棋士に勝利したのが2013年ということを考えると、バックギャモンAIの研究が古くから進んでいたことがわかりますね。そのおかげもあって、今では4人に3人がソフトウェアを使って勉強していると回答するなど(2017年のアンケートより)、バックギャモンAIがプレイヤーに広く浸透しています。

「バックギャモンAI の歴史」(授業スライドより)

 パート3では、事前に調べておいた面白い回答をしてくれる質問をChatGPTに答えてもらい、そのスゴさを体験してもらいました。最後には、ChatGPT の問題点や実践的な使い方などを披露しました。今回の授業は大人でも十分楽しめる授業になったのではないかと思います。

授業風景。ChatGPT から予想外の回答が返ってくることも

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

【お申込み・お問い合わせ】
事前申し込みが必要です。下記フォームからお申し込みください。
http://classroom-entry-form.backgammon.or.jp

ご質問等ございましたら、担当の横瀬宛にお気軽にお問い合わせください。
support@backgammon.or.jp(担当:横瀬)

横瀬 明仁

バックギャモン道場が本日リリース! 待望の段級位制がスタート!
2023年5月1日

バックギャモン道場とは

 バックギャモン道場 は、知的マインドスポーツとしてのバックギャモンを楽しく学び、スキルを磨くことができるオンライン学習プラットフォームです。初心者から上級者まで、どんなレベルのプレイヤーでも自分のペースで学び、成長できる環境を提供します。バックギャモン道場では、日本バックギャモン協会 公式のカリキュラムや認定試験を通じて、バックギャモンのスキルを効率的に向上させることができます。

 バックギャモン道場
 https://bg-dojo.com/

バックギャモン道場の学習画面

 バックギャモン道場にはこれまでにない3つの特徴があります。

【1】日本バックギャモン協会の公式カリキュラム

 日本バックギャモン協会が独自に制作した質の高い学習コンテンツによって、効果的にスキルを向上させることができます。教材は定期的にアップデートされるため、常に最新の情報や戦術を学べます。
 ダイモン君とダブダブ、ゾロメちゃんが楽しい会話で学習をサポートしてくれるので、バックギャモンが初めての人でも安心して学ぶことができるのもポイントです。

【2】段級位制でスキルを可視化

 日本バックギャモン協会が定める段級位制により、自分のスキルや成長を客観的に把握することができるため、モチベーションを維持しやすくなります。また、上達の道筋が明確になることで、目標設定が容易になります。
 認定試験に合格し、PDF の認定証を取得することで達成感が得られます。SNS などでシェアすることで自分のスキルをアピールしたり、同じ興味を持った人と繋がったりすることもできます。

【3】オンラインで好きな時間に自分のペースで学習

 バックギャモン道場のオンライン教材は PC やスマホでも見やすいようになっているため、自宅や外出先で好きな時間に学ぶことができます。各コースにはテキストや確認テストがレベル別に用意されており、どんなレベルのプレイヤーでも自分のペースで学び、自分に合った方法でスキルを向上させることができます。

段級位制とは

 段級位制は、囲碁・将棋などの日本古来の知的競技や、武道・芸道でも採用されている優れた教育管理システムです。段級位制のメリットは、スキルが可視化されることにより愛好家に限らない世間一般の方にも実力が把握しやすくなること、課題を段階的に与えることで着実な成長を支援する土台を形成できることです。以上を踏まえ、日本のバックギャモンの初心者層・初級者層・中級者層を育み、楽しみながら強くなってもらうための道筋を整備するツールとして、日本バックギャモン協会がバックギャモンの段級位制を立ち上げるに至りました。

 バックギャモン道場では、日本バックギャモン協会が定義した段級位に沿って、下の図に示したコース設計をしています。

段級位制の全体像

バックギャモンが全然わからない人でも、8級からスタートすることで、基本ルールやマナーなどの最低限必要な知識を効率的に身につけることができます。初級者向けには基本的な戦術を学ぶためのコース(7級〜5級)、中級者向けにはポイントマッチやダブリングキューブの使用方法に焦点を当てたコース(4級〜2級)が提供されます。上級者には専門的なコース(1級以上)が用意され、さらなるスキルアップを目指すことができます。なお、5月のリリース時点では8級コースのみが公開されており、それ以上のコースは順次公開されていく予定です。

 バックギャモン道場の目玉は、認定試験です。各コースに用意された認定試験に合格すれば、名前入りの認定証を手に入れることができるとともに、日本バックギャモン協会公式の段級位認定が得られます。ぜひ、SNS でアピールしたり、友達に自慢したりしてみましょう。

認定証のサンプル

最後に

 あなたの挑戦をバックギャモン道場が全力でサポートします。今すぐ登録して、バックギャモンの世界へ第一歩を踏み出してみましょう!

 バックギャモン道場
 https://bg-dojo.com/

 現時点で公開されているのは基本ルールやマナーを学べる8級コースのみですが、読み応えのあるコラムも用意されているため、バックギャモンが初めての人はもちろんのこと、バックギャモンに熟達している方でも楽しめる内容になっています。バックギャモンに興味があるけど何から始めたらいいかわからないという人にどんどん紹介していただければありがたいです。

 SNS および、5月3日から開催されるバックギャモンフェスティバル会場でのキャンペーンも準備していますので、ぜひご期待ください。

 JBS 公式 Twitter
 https://twitter.com/JBS_Backgammon

小学生教室 第3回「サイコロを科学しよう」開催レポート(2023年4月)
2023年4月27日

 子どもたちの好奇心を育てるバックギャモン小学生教室、第3回の授業のテーマは「サイコロを科学しよう」でした。パート1は「サイコロはいつどこで生まれた?」「サイコロが使われた有名なセリフ『サイは○○○○○』とは何?」といったクイズからスタート。「ツタンカーメンの墓から象牙のサイコロが見つかった」「昔の天皇もサイコロで遊んでいた」などのウンチクを付け加えながら進めていきます。

  • パート1: サイコロクイズ
  • パート2: サイコロの秘密
  • パート3: サイコロの秘密をゲームで体感してみよう

 パート2では「サイコロの秘密」を紹介し、それが本当かどうか、たくさんのサイコロを使って調べていきました。「表と裏の数字を足すと6」というのはよく知られていますが、サイコロに「オスとメスがある」のはご存知でしたか?

「サイコロにはオスとメスがある」(授業スライドより)

「1・2・3を正面に向かせて反時計回りになるのがメスで、時計回りになるのがオス」でほとんどが「メス」らしいのですが、実際に調べてみると(百円ショップのサイコロが多かったのが原因なのか)、用意した50個のサイコロのうち「約6割がオス」でした。意外な結果に私もビックリでした。やってみないと分からないものですねぇ。

たくさん用意したサイコロをひとつずつ調べていく

 それぞれの面が出る確率が均等になっているか、プレシジョンダイスとおもちゃのサイコロを比較してみる実験では、最後に大学レベルの統計学の手法を使ってイカサマかどうかを検証しました。ほかにも、自作のプログラミングを披露したりしながら、サイコロにまつわるさまざまな面白エピソードを紹介できたと思います。サイコロは確率・期待値思考を身につけるための重要なツールになるので、今後の学びのきっかけにしてもらえれば嬉しいです。

実験の結果をホワイトボードに書いていく

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

【お申込み・お問い合わせ】
事前申し込みが必要です。下記フォームからお申し込みください。
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ご質問等ございましたら、担当の横瀬宛にお気軽にお問い合わせください。
support@backgammon.or.jp(担当:横瀬)

横瀬 明仁

一ツ葉高等学校 立川キャンパスで、二度目のバックギャモン初中級検定
2023年4月25日

 初春といえど少しヒンヤリする3月上旬。一ツ葉高等学校の立川キャンパスで「バックギャモン初中級検定」が実施されました。一ツ葉高校でのバックギャモン検定の実施はこれで二度目となります。

 通信制の一ツ葉高校は全日制高校と比較して時間的余裕があるということで、さまざまな活動がおこなわれています。橋本先生が顧問をしている立川キャンパスのボードゲーム部では、キャンパス内でのゲーム大会だけでなく、愛媛大学バックギャモンサークルとの親善試合や武蔵野大学ボードゲームサークルとの親善試合(バックギャモン・スペード)を開催するなど、チャレンジングな活動を盛んにしています。

 そしてそのボードゲーム部にバックギャモンができる生徒が複数在籍しているということで、2020年の秋以来、2年半ぶりにバックギャモン初中級検定を実施することになりました。

 今回の参加者は前回を上回る5名。前回よりも難しめの内容でしたが、それぞれのさらなる実力アップやモチベーションアップに繋げてもらえれば嬉しい限りです。前回同様にアンケートを採っていただきましたので、以下に掲載します。

── Q1.初中級検定を受けてみた感想はいかがでしたか?
生徒A「難しかったです。今回は合格点ギリギリだったので、また挑戦したいです。」
生徒B「初めて検定を受けて、自分がよくする打ち方が載っていたので自分の打ち方は間違っていなかったんだと安心しました。」

── Q2.バックギャモンのどこに面白さを感じますか?
生徒A「一人一人違う戦略ができるところです。自分とは違う戦い方を見つけるのが結構好きです。」
生徒B「攻めてばかりでは守れなかったり、守ってばかりでは攻められなかったりと、頭脳による攻防戦に魅力を感じます。」

── Q3.バックギャモン大会への参加や他の学校との対抗戦に興味がありますか?
生徒A「あります! 自分よりも強い人から戦略を学びたいです。」
生徒B「いろいろな年齢や職業の人とバックギャモンをしてみたいです。」

 橋本先生は「英語検定や数学検定などの学力検定ももちろん大切だが、バックギャモン検定や世界遺産検定も話術次第では面接でアピールポイントにできる」と言います。日本バックギャモン協会でも公教育ツールとしてのバックギャモンの普及を進めています。リスク対応力や GRIT などの21世紀を生き抜く力を身につけられる「知的マインドスポーツとしてのバックギャモン」をもっと盛り上げていきたいと考えております。

 日本バックギャモン協会は、今後も未来のプレイヤーを応援していきます。検定実施希望の高等学校や中等学校がありましたら、当協会までご相談ください。

お問い合わせ先
support@backgammon.or.jp

小学生教室 第2回「リスクについて考えよう」開催レポート(2023年3月)
2023年3月27日

 2月から開催された「バックギャモン小学生教室」ですが、第2回となる今回は、バックギャモンをやる上で切っても切れない「リスク」をテーマとして取り上げました。

  • パート1: 「リスク」って何だろう?
  • パート2: リスクをゲームで体感してみよう
  • パート3: リスクとリターンの関係
  • パート4: 日常にひそむリスクとリターン
  • パート5: リスク対策を考えよう
  • パート6: オリジナルのリスク体感ゲームを考えてみよう
オリジナルのリスク体感ゲームからスタート

 冒頭で、ある条件を満たすとシールをすべて失ってしまう「ドボン」ルールがある「シール倍々ゲーム」と「サイコロ振って1から4はシールがもらえるぞゲーム」を体験してもらい、チャレンジするかしないかというドキドキを味わってもらいました。リスクの向こう側には「もっとたくさんのシールがもらえる」というリターンが待っています。リスクとリターンをセットで考えようというのが今回伝えたかった重要なポイントでした。このゲームが盛り上がったこともあって後半の内容がだいぶ駆け足になってしまいましたが、これも小学生教室の醍醐味ですね。

毎回配られる受講証はシールでいっぱい

 授業の中でも言及しましたが、バックギャモンは「どこかでリスクを冒さないといけないゲーム」です。リスクとリターンという不確定要素を天秤にかけながら決断を繰り返していくバックギャモンは、リスクに正しく立ち向かうための「リスク対応力」を鍛えることができる教育ツールだとも言えるでしょう。こういったバックギャモンの魅力や面白さを次回以降も伝えていきたいと思います。

バックギャモンは「どこかでリスクを冒すゲーム」(授業スライドより)

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

【お申込み・お問い合わせ】
事前申し込みが必要です。下記フォームからお申し込みください。
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ご質問等ございましたら、担当の横瀬宛にお気軽にお問い合わせください。
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横瀬 明仁

小学生教室 第1回「運について考えよう」開催レポート(2023年2月)
2023年3月4日

 いよいよスタートした「バックギャモン小学生教室」。記念すべき第1回は、バックギャモンを面白くする大きな要素である「運」をテーマとして取り上げ、次のように授業を進めました。

パート1: 「運」ってそもそも何だ?
パート2: 「運」についてもっと考えてみよう
パート3: 「運」を体験してみよう
パート4: 「大数の法則」から学ぶ
パート5: 思考トレーニングをしよう
パート6: オリジナルの「運ゲー」を考えてみよう

 今回の見せ場は「偶然は回数が少ないうちは確率通りにならないが、回数が増えれば増えるほど本来それが起こる確率に近づいていく」という「大数の法則」を実感してもらうことでした。そのために一人ひとりに何度もサイコロを振ってもらい、平均が「3.5」に近づいていくかどうか実験をしました。途中、私の自作プログラムに10,000回じゃんけんをさせて、結果が4,900勝から 5,100勝の間にほぼ収まるというのを見てもらう流れだったのですが、みんなプログラミングに興味津々で授業があらぬ方向へ脱線してしまいました(笑)。

先生自作のじゃんけんプログラムに興味津々

 最後はオリジナルの「運ゲー」を考案する時間に充てたのですが、意外と面白いゲームが生まれたのでここで披露させてください。名付けて「協力足し算ベアオフ」です。遊び方としては下の図のようにコマを初期配置し、サイコロを1つずつ持ったペア同士でベアオフ対決をします。

「協力足し算ベアオフ」の初期配置

2つのサイコロの目の合計が「5」だったら「5」ポイントのコマを1つベアオフできるのですが、合計が「6」を超えてしまうとベアオフできません(ゾロ目は無し)。コマを全部上げると勝ちなのですが、面白いのは二人の協力プレイ。1人目が「6」を出したら、2人目がサイコロをぶつけて目を変えることができるのです! これがめちゃくちゃ盛り上がりました。 子どもの発想ってすごいなあと感心しきりでした。次回以降も、生徒と一緒に楽しみながら教室を盛り上げていきたいと思います。

生徒たちと一緒に考えたオリジナルゲームで遊ぶ

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

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事前申し込みが必要です。下記フォームからお申し込みください。
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ご質問等ございましたら、担当の横瀬宛にお気軽にお問い合わせください。
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横瀬 明仁

一ツ葉高等学校 立川キャンパスでバックギャモン初中級検定を実施
2020年11月11日

秋らしい爽やかな風が吹く10月に、一ツ葉高等学校の立川キャンパスで「バックギャモン初中級検定」が実施されました。高校でのバックギャモン検定の実施はこれが初めてです。新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年5月のバックギャモンフェスティバルが中止となり、予定していた「第10回 バックギャモン検定」が延期になるなど暗いニュースが続いていましたが、久々に明るいニュースが舞い込んできました。


一ツ葉高校検定_1

きっかけは、自身もカジュアルなバックギャモンプレイヤーというボードゲーム部顧問の橋本教諭からの問い合わせでした。英語検定や世界遺産検定などの資格取得にも力を入れている学校の方針のもと、生徒のモチベーションアップにも繋がるのではと考えたとのことです。

通信制の一ツ葉高等学校には全国に6つのキャンパスがあり、通常のスクーリングとは別に多くのイベントを通して生徒同士の交流が図られています。立川キャンパスでもイベントが頻繁に開催されており、9月におこなわれたゲーム大会ではバックギャモン大会も催され、10名以上の参加者が集まって白熱した戦いが繰り広げられたそうです。そして、今回のバックギャモン初中級検定の参加者は4名。少し難しいと感じた生徒もいたようですが、それぞれのさらなる実力アップに繋げてもらえれば幸いです。さて今回は高校でのバックギャモン検定が初めてということもあり、今後の参考になればとアンケートを採っていただきました。


一ツ葉高校検定_2

── 解説を読んで勉強になりましたか?
Aさん「私の得意な打ち筋とは違いましたが、勉強になりました。」
Bさん「その手になる理由がわかりやすく書かれていて、納得できました。」

── 今後、校外の大会にも出場してみたいですか?
Aさん「料金や場所など、出場しやすい大会があれば、ぜひ出場してみたい。」
Bさん「誰かと一緒に出場できるのであれば考えたい。」

来年以降も恒例の検定試験としてチャレンジしてもらえると嬉しい限りです。バックギャモン教育協会は、今後も未来のプレイヤーを応援していきます。検定実施希望の高等学校や中等学校がありましたら、当協会までご相談ください。

バックギャモン教育協会 横瀬