小学生教室 第4回「AI について考えよう」開催レポート(2023年7月)
2023年8月21日

 第4回 バックギャモン小学生教室の授業テーマは「AIについて考えよう」でした。前半はAIの基礎やバックギャモンAIの歴史を楽しく学ぶ座学、後半はChatGPTのデモンストレーションを通して学ぶ体験型授業のスタイルを採りました。講師は現在AIの研究をしており、最近では「生成AI」の試験にも合格したこともあって、今回は特に気合を入れて臨みました。

  • パート1: AI のひみつクイズ
  • パート2: バックギャモンと AI
  • パート3: ChatGPT で遊ぼう
  • パート4: ChatGPT の問題点

 パート1は「AIはいつ生まれた?」(ちなみに答えは1956年)などといったクイズからスタートし、パート2ではバックギャモンとAIの歴史について学びました。バックギャモンAIの歴史は古く、1979年にはハンス・ベルリナーが開発したバックギャモンAI「BKG 9.8」が当時の世界選手権に優勝したルイジ・ヴィラに初勝利したという記録が残っています。ちなみに当時の棋譜をXGで解析してみると、世界チャンピオンのPRが「6.50」(エキスパート)だったのに対してAIは「13.99」(中級)とのことでした。7ポイントマッチ1試合のみのエキシビションだったとは言え、チェスAIが世界チャンピオンに初勝利したのが1996年、将棋AIがプロ棋士に勝利したのが2013年ということを考えると、バックギャモンAIの研究が古くから進んでいたことがわかりますね。そのおかげもあって、今では4人に3人がソフトウェアを使って勉強していると回答するなど(2017年のアンケートより)、バックギャモンAIがプレイヤーに広く浸透しています。

「バックギャモンAI の歴史」(授業スライドより)

 パート3では、事前に調べておいた面白い回答をしてくれる質問をChatGPTに答えてもらい、そのスゴさを体験してもらいました。最後には、ChatGPT の問題点や実践的な使い方などを披露しました。今回の授業は大人でも十分楽しめる授業になったのではないかと思います。

授業風景。ChatGPT から予想外の回答が返ってくることも

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

【お申込み・お問い合わせ】
事前申し込みが必要です。下記フォームからお申し込みください。
http://classroom-entry-form.backgammon.or.jp

ご質問等ございましたら、担当の横瀬宛にお気軽にお問い合わせください。
support@backgammon.or.jp(担当:横瀬)

横瀬 明仁

小学生教室 第3回「サイコロを科学しよう」開催レポート(2023年4月)
2023年4月27日

 子どもたちの好奇心を育てるバックギャモン小学生教室、第3回の授業のテーマは「サイコロを科学しよう」でした。パート1は「サイコロはいつどこで生まれた?」「サイコロが使われた有名なセリフ『サイは○○○○○』とは何?」といったクイズからスタート。「ツタンカーメンの墓から象牙のサイコロが見つかった」「昔の天皇もサイコロで遊んでいた」などのウンチクを付け加えながら進めていきます。

  • パート1: サイコロクイズ
  • パート2: サイコロの秘密
  • パート3: サイコロの秘密をゲームで体感してみよう

 パート2では「サイコロの秘密」を紹介し、それが本当かどうか、たくさんのサイコロを使って調べていきました。「表と裏の数字を足すと6」というのはよく知られていますが、サイコロに「オスとメスがある」のはご存知でしたか?

「サイコロにはオスとメスがある」(授業スライドより)

「1・2・3を正面に向かせて反時計回りになるのがメスで、時計回りになるのがオス」でほとんどが「メス」らしいのですが、実際に調べてみると(百円ショップのサイコロが多かったのが原因なのか)、用意した50個のサイコロのうち「約6割がオス」でした。意外な結果に私もビックリでした。やってみないと分からないものですねぇ。

たくさん用意したサイコロをひとつずつ調べていく

 それぞれの面が出る確率が均等になっているか、プレシジョンダイスとおもちゃのサイコロを比較してみる実験では、最後に大学レベルの統計学の手法を使ってイカサマかどうかを検証しました。ほかにも、自作のプログラミングを披露したりしながら、サイコロにまつわるさまざまな面白エピソードを紹介できたと思います。サイコロは確率・期待値思考を身につけるための重要なツールになるので、今後の学びのきっかけにしてもらえれば嬉しいです。

実験の結果をホワイトボードに書いていく

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

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横瀬 明仁

小学生教室 第2回「リスクについて考えよう」開催レポート(2023年3月)
2023年3月27日

 2月から開催された「バックギャモン小学生教室」ですが、第2回となる今回は、バックギャモンをやる上で切っても切れない「リスク」をテーマとして取り上げました。

  • パート1: 「リスク」って何だろう?
  • パート2: リスクをゲームで体感してみよう
  • パート3: リスクとリターンの関係
  • パート4: 日常にひそむリスクとリターン
  • パート5: リスク対策を考えよう
  • パート6: オリジナルのリスク体感ゲームを考えてみよう
オリジナルのリスク体感ゲームからスタート

 冒頭で、ある条件を満たすとシールをすべて失ってしまう「ドボン」ルールがある「シール倍々ゲーム」と「サイコロ振って1から4はシールがもらえるぞゲーム」を体験してもらい、チャレンジするかしないかというドキドキを味わってもらいました。リスクの向こう側には「もっとたくさんのシールがもらえる」というリターンが待っています。リスクとリターンをセットで考えようというのが今回伝えたかった重要なポイントでした。このゲームが盛り上がったこともあって後半の内容がだいぶ駆け足になってしまいましたが、これも小学生教室の醍醐味ですね。

毎回配られる受講証はシールでいっぱい

 授業の中でも言及しましたが、バックギャモンは「どこかでリスクを冒さないといけないゲーム」です。リスクとリターンという不確定要素を天秤にかけながら決断を繰り返していくバックギャモンは、リスクに正しく立ち向かうための「リスク対応力」を鍛えることができる教育ツールだとも言えるでしょう。こういったバックギャモンの魅力や面白さを次回以降も伝えていきたいと思います。

バックギャモンは「どこかでリスクを冒すゲーム」(授業スライドより)

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

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横瀬 明仁

小学生教室 第1回「運について考えよう」開催レポート(2023年2月)
2023年3月4日

 いよいよスタートした「バックギャモン小学生教室」。記念すべき第1回は、バックギャモンを面白くする大きな要素である「運」をテーマとして取り上げ、次のように授業を進めました。

パート1: 「運」ってそもそも何だ?
パート2: 「運」についてもっと考えてみよう
パート3: 「運」を体験してみよう
パート4: 「大数の法則」から学ぶ
パート5: 思考トレーニングをしよう
パート6: オリジナルの「運ゲー」を考えてみよう

 今回の見せ場は「偶然は回数が少ないうちは確率通りにならないが、回数が増えれば増えるほど本来それが起こる確率に近づいていく」という「大数の法則」を実感してもらうことでした。そのために一人ひとりに何度もサイコロを振ってもらい、平均が「3.5」に近づいていくかどうか実験をしました。途中、私の自作プログラムに10,000回じゃんけんをさせて、結果が4,900勝から 5,100勝の間にほぼ収まるというのを見てもらう流れだったのですが、みんなプログラミングに興味津々で授業があらぬ方向へ脱線してしまいました(笑)。

先生自作のじゃんけんプログラムに興味津々

 最後はオリジナルの「運ゲー」を考案する時間に充てたのですが、意外と面白いゲームが生まれたのでここで披露させてください。名付けて「協力足し算ベアオフ」です。遊び方としては下の図のようにコマを初期配置し、サイコロを1つずつ持ったペア同士でベアオフ対決をします。

「協力足し算ベアオフ」の初期配置

2つのサイコロの目の合計が「5」だったら「5」ポイントのコマを1つベアオフできるのですが、合計が「6」を超えてしまうとベアオフできません(ゾロ目は無し)。コマを全部上げると勝ちなのですが、面白いのは二人の協力プレイ。1人目が「6」を出したら、2人目がサイコロをぶつけて目を変えることができるのです! これがめちゃくちゃ盛り上がりました。 子どもの発想ってすごいなあと感心しきりでした。次回以降も、生徒と一緒に楽しみながら教室を盛り上げていきたいと思います。

生徒たちと一緒に考えたオリジナルゲームで遊ぶ

 小学生教室では、単にゲームを遊ぶだけでなく、「運とは何か考えてみよう」「自分で考えた新しいルールで遊んでみよう」「海外の小学生と対戦してみよう」といったバックギャモンを利用したさまざまなカリキュラムをインタラクティブな体験学習で提示することで、子どもたちの好奇心を育てる創造教室を目指します。

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横瀬 明仁